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- 2025年 - 美しい魂への手紙
- 2024年「WWD ジョン B. フェアチャイルド賞」
- 2024年 - 老いについての手紙 |
- 2024年 - ジェントル・ラグジュアリー、それは節度ある美の象徴
- 2024年 - 女性たちへ捧げる普遍的な手紙
- 2023年 - Rai 3「In mezz'ora」、モニカ・マッジョーニによるインタビュー
- GQ's Designer of the Year 2023
- 2023年 - 人工知能と人間の知能に関する手紙
- 2023年 - 実りと調和:人工知能をたずさえて
- 2023年 - ニーマン・マーカ ス・ファッション特別賞
- 2023年 - Tv2000「Soul」、モニカ・モンドによるインタビュー
- 2022年 - 人類の未来の番人への手紙
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- 2022年 - 人類の賢人たちへ捧げる手紙
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- 2021年 - イタリアへの賞賛の手紙
- 2021年 - クチネリのスピーチ G20サミットにて
- 2021年 - ソロメオ村の普遍的な図書館、千年の贈り物
- GQ's Designer of the Year 2021
- 2021年 - Skyテレビ tg24へのゲスト出演、ブルネロ・クチネリのインタビュー
- 2021年 - 社員の皆さんへの感謝の手紙
- 2020年 -「 普遍のヒューマニズムとテクノロジー」マルコ・モンテマーニョ氏との対話
- 2020年 - モンゴルと中国の人たちへの贈り物
- 2020年 - インタビュー「ブルネロ・クチネリとの対談」
- 2020年 - 森羅万象との新たな社会契約についての手紙
- 2020年 - 「IBM Studios Milano」のバーチャル就任式におけるスピーチ
- 2020年 - 新しい人生誕生の日に向けたおじいさんからの手紙
- 2020年 - 新しい時の便り
- -2020年 - 春の便り
- 2020年 - 人間味のある人への手紙
- 2020年 - 修繕の芸術
- 2020年 - 友人である中国人への手紙
- 2019年 - モンテマーニョ氏との対談
- 2019年 - 心の時間、和合のひととき
- 2019年 - 「第三ミレニアムの若きダ・ヴィンチたち」との出会い
- 2019年 - 仕事に託す精神を育む古都「ソロメオ」
- 2019年 - 調和と希望
- 2018年 - ソロメオ村、具現化された精神力
- 2018年 - 人間としてのプライバシー
- 2017年 - 敬愛すべき仕事の名人へのスピーチ
- 2017年 - 「Verso un Universalismo dell’Uomo(人間の普遍主義をめざして)」
- 2016年 - ネット時代の人文主義的職人
- 2014年 - 消費主義の衰退と節度ある物の利用
- 2014年 - 紹介美のプロジェクト
- 2013年 - 愛すべき郊外
- 2012 - 無理なく働く
- 2012年 - 正当で上品な成長 株式市場上場にあたってのスピーチ
- 2010年 - 「人間関係の哲学と倫理学」名誉学士の講演
- 2020年 - 新しい時の便り
新しい時の便り
1995年キャンペーン - 「美の中には常に何らかの永遠がある。」シャルル・ボードレール
2020年4月2日、ソロメオ
痛ましい夜の影を後にし、ついに新しい時が湧出し始めました。 尊敬する友人たちよ、私にはこの新しい時が、素晴らしいチャンスに満ちているように見えます。新たな清水の運び手、アイデアの創造主のように、それを取り巻くものすべてがこれまでとは違った生きる欲望に溢れています。私はすでに経済成長が訪れることを確信しています。熱意が私たちの心を動かすだろうということも。何よりも、私たち自身がこれまでとは違った存在になるのです。私たちだって、時のように、何らかの方法で新しくなります。変化を遂げた何かが、これまでとは違う美しく魅惑的な次元で、私たちに物事や人生を指し示してくれるはずです。昨日まで当たり前のように目にしていたパンが、新たな驚きをもたらし、さらにパンがなくて困っている人の存在にも気づくことができるでしょう。誰もが、自分の中に今までにないもう一人の人間を発見するのです。それがまさに兄弟というものです。変化を遂げた何かのおかげで、私たちの目には家族がまるで社会の新芽のように映ることでしょう。そうして、水、麦畑、果実園、それから私たちに栄養を与える動物たちもこれまでとは違った様相を見せることでしょう。それにより、自然、公平、調和といった言葉が新たな意味を帯び、やがて聖なるものへと変化していくのです。そうした価値は、私たち一人一人の心に脈打つ神のリズムなのです。
親しい友人たちよ、私は確信しています。きっと新しい時が私たちにとって、さまざまな事柄の関係を善良な元の姿に戻すための魅力的なチャンスであるということを。人文主義と技術、精神と調和、利益と貢献といった事柄の関係性が必ず修復されるはずです。問題の背後には必ずチャンスが潜んでいることを自覚しなくてはなりません。あの偉大なミケランジェロは「人生は芸術的な形をしており、まるで芸術のように、それを生きるためには手よりも心を必要とする」と常に言っていました。
ですから、これは、たった一人だけでなく世界中のすべての人に関わるチャンスだと私は言いたいのです。私たちの目や心だけでなく、存在すべてが、運命によって運ばれてきた宇宙の贈り物を受け取る準備ができていることを願っています。孔子の言葉の中に私を魅了した一句があります。 「遠くのことを見通せない者は、近くの不幸にさらされる」
日食の終わりが到来し再び太陽が命を彩る時、私たちの心はきっと喜びに満ち溢れることでしょう。しかしそれは、慎重さを要する瞬間でもあります。もし今のペースを保ち、痛々しい苦境の経験から生まれた規則を尊重し続け、神の言葉に集中したなら、これまで通りの自然な生活に戻ることができるでしょう。そこにはきっと新たな価値も加わっているはずです。そしてまた「人間らしい」と呼ぶべき世界の美しい姿が私たちを魅了することでしょう。