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ソロメオは中世の雰囲気をとどめた村です。この村が誕生したのはおそらく12世紀のことだと言われています。土地改良の際にそれまで見捨てられていた平野が開拓され、農業が復興しました。土地を開拓した人々が、丘陵部の方が空気が澄んでいることから、なだらかな丘の上に家を建て始めました。

「記念碑と、ゆるやかに過ぎ去った年月により荒廃したソロメオの古い村は、ブルネロ ・クチネリの人間主義的な企業によって、母なるウンブリア州の大地の心の元で未来の人に贈られる為に修復、保存、装飾された。」(1999年)

12世紀に建てられた聖バルトロメオ教会の存在が、人々がそこに定着したことの証であり、その少し後に建てられた城からは、度重なる襲撃や略奪に対して村を防衛する必要があったことが見て取れます。

ソロメオ村は、ペルージャとカスティリオン・デル・ラーゴ、そしてキウージを結ぶ道路の近くに位置しています。この道路は古代ローマ時代に開通したものです。1361年、「ヴィラ・ソロメイ」の居住地は、「パラッゾ」1軒、「カサメントゥム」1軒、「ドーム」12軒、小屋2軒と聖バルトロメオ教会からなっていました。1391年の春、ソロメオの住民は防衛のため居住地を城砦化しました。お城の建築はパラッゾの所有者であったメオ「ヨハニス・コレ」が率先して行ったと思われます。なぜなら町会議の議事録には市民メオの名が「施工者」として記載されており、お城は「Iuxta Pallatium Dicti Mei」、つまりメオが所有していたパラッゾの隣に建築されたと明記されているからです。ソロメオのお城は14世紀末に完成していたのですが、その後もしばらくは「ヴィラ」と呼び続けられ、1430年に初めて「カストルム・ソロメイ」として正式に記録されました。

ルネサンス期にはソロメイ村(古文書にはこの名で記録されています)の人口が急増しました。隆盛を極めた時代があったことは、人里離れてロマンチックな佇まいを見せる墓地や18世紀のアンティノーリ荘があることからもわかります。

ブルネロの家庭生活や実業家としての舞台、さらにスピリチュアルな生活の場であるソロメオは、彼にとってまさに魂の在り処です。

1-「知識への愛は私たちの心の中に響き、考えの次元を養う。」ソクラテス

2-「私は伝承し、創造しない。」孔子

ブルネロの人生を象徴するものをこの地に集結する考えが生まれたのは1985年のことでした。その選択は当時の一般的な傾向の逆を行くものでした。

その頃のイタリアには、価値や伝統を惜しげなく捨てて地域との絆を断ち切ろうという風潮がありました。今日では逆に、こういった価値や伝統が深く見直され、ブルネロの一風変わった選択がむしろ正しかったことが分かります。

当初、会社は丘の上にある中世のお城の中に置かれていましたが、その後平野部へと移転し、現在お城は2013年に設立された現代高度芸術工芸学校として使われています。

こうしてソロメオ村と芸術のフォーラムとの絆がいっそう深まりました。今ではソロメオの村全体が文化、芸術、伝統、歴史、そして幸福な暮らしのために充てられた場所であるといっても過言ではありません。

Sunflowermanのイラスト

芸術のフォーラム

古代ローマの「フォルム(フォーラム)」は、立派な建造物に囲まれた屋外のスペースで、人々が集まってさまざまな社会生活を営む公共の広場として利用されていました。古代ローマでは、このフォルムのほか、美しい庭園も設けられていまし た。小プリニウスがトスカーナ地方に所有していた庭園がその代表的なものです。こうした庭園は、プライベートな空間として利用され、招待客を招いた宴が開かれていました。プリニウス邸の庭園にも見事な建築物があり、すべてが緑に囲まれています。

「我々は夢と同じ物質でできており、我々の儚い命は眠りと共に終わる。」シェイクスピア

「芸術のフォーラム」は、ローマ時代のこの2つの建築モデルを融合したものです。2001年にこのプロジェクトが着工された段階から、すべてのエレメントがクチネリ劇場を取り囲むように配置されました。ルネサンスにインスピレーションを得て新しく築かれたクチネリ劇場では、毎年シーズンごとに劇、音 楽、舞踊の公演が繰り広げられ、ソロメオ村の時の流れを刻んでいます。フォーラムの前には「円形劇場」と呼ばれる夏季の音楽フェスティバルや芝居にぴったりの楕円形のエリアがあります。

その隣のテラス式の複合建築は「哲学者の庭」と呼ばれるもので、考え事をしたり景色を眺めたりするための場所として建てられました。

さらに「アウレリウス人文主義アカデミー」には、人々が共に時間を過ごすための会合スペースがあり、そこには古典から近代まで様々な書籍が揃った図書室も併設されています。 2021年の終わりに、「ソロメオ村の普遍的な図書館」の新設工事も始まりました。このプロジェクトは、ブルネロ&フェデリカ・クチネリ財団が長い間夢見てきたのもで、彼らの強い願いのもとに実現しました。普遍的な図書館は、劇場と聖バルトロメオ教会の近く、芸術のフォーラムの内側に創設される予定です。

千年の贈り物

ソロメオ村の普遍的な図書館

デッサン画、ソロメオ村の普遍的な図書館の正面図

-この場所にはスピリチュアリティを感じさせるものがあり、門をくぐったとたん、そうしたムードに包み込まれます。門の両側から2羽の厳めしい鷲が見下ろしていま すが、この鷲たちも生命力に訴えるような魅力に感動しているように見えます。

「芸術のフォーラム」は、「現代高度芸術工芸学校」の拠点である古典的なスタイルで建てられた建物と、学校の一部として使われるお城を背景にした「賢者の広場」に向かって広がっています。

オリーブの木で飾られた円形の「平和の広場」の向かい側に要塞とともに聳え立つ城も学校の一部となりました。「平和の広場」でもコンサートや芸能公演が頻繁に行われています。

今日「芸術のフォーラム」は、ソロメオ村自体の存在価値を象徴しています。それは人文主義を具現する砦であり、人間ひとりひとりの尊い魂を温かく受け入れてくれます。

「自然は謎、そのベールを剥がさないでください。」ゲーテ

 
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ソロメオ村の普遍的な図書館
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