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老いについての手紙

カール・シュティーラー(1781~1858)、ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの肖像、ベルリン国立図書館、ベルリン(ドイツ) © 2024 Foto Scala、フィレンツェ

2024年9月3日、ソロメオ

今、人生の晩年を迎え、私の目に映る世界は、蜂蜜色に染まっています。まるで太陽が山の間に沈むとき、すべてを黄金色に染める光のように、心の中の景色が穏やかに輝いているのです。今この歳になり、すべてものがより身近で慈しみ深く感じられるようになり、かつての頑固で強情だった私が、今では寛容さと忍耐力を身に付けていることに気づきます。

新しい人生の幕開けが目前に迫っている今、私はその未知の道に魅了されつつも、少しの恐れを感じています。しかし、かつてのように明日を無思慮で迎えるのではなく、今は過去を振り返り、未来に備えながら、学校で学んだように、自らの経験を省みつつ計画を立てる日々です。

ただし、今私が思い描く計画は、これまでの実用的なものとは異なり、まるで迷宮に迷い込んだかのように複雑であり、答えを求めるたびに新たな疑問が浮かんできます。

これから迎える新しい日々の中で私は何をすべきか、どう答えを見つけるべきか、そしてこれからの自分はどのように生きていくのか。そんな問いに対する答えを探し求める中で、ショーペンハウアーが語る老いについての言葉が、少しの憂いを帯びつつも心に響いてきます。また、セネカの柔らかく包み込むような言葉にも魅力を感じる一方で、その言葉にもどこか憂鬱さを感じずにはいられません。

では一体、どのように進むべきかと考える時、私は若き日に出会った紳士たちの態度に思いを馳せ、祖父がどのようにして年齢を重ねていったのかを振り返ります。彼の年齢にいたった人々は微笑みと生きる喜びを忘れることなく、知恵に満ちた皮肉を携えていたのです。そして私は、この人生の一時期には、希望さえ持てば魔法の花を授かることができるのだと気づきました。その花とは「知恵」です。今、私はこれまで見たことのない新たな視点から、素晴らしい真の冒険を語ることができるのです。

考えを巡らせる中で、最終的には計画を準備しておく必要などないという結論に至りました。むしろ、私の内に湧き上がる力がみなぎっています。かつては小さかった心の泉が、年月を経て成長し、永遠の力となっているのです。だからこそソロンは言ったのでしょう、「私は年を取るが、常に多くの学びを得ている」と。

理性だけに頼るのを、やめました。偶然という一手が、多くの成功をもたらすこともあると悟ったからです。ゲーテが考えていたように、多くの状況において、幸福が不幸を打ち消してくれるのだと理解しています。こうして私は少し神秘的な心持ちになり、胸騒ぎが静まるのを感じるのです。

この勇気に満ちた旅路の中で、私は多くのことを学びました。今、私は愛するソロメオの塔に中にある書斎に身を置いています。世の中の喧騒から遠く離れた静けさの中で、長い間追い求めてきた自分自身や古代の賢者たちとの対話が、具体的かつ継続的に神の糧となり始めています。過去の偉大な巨匠たち、重厚な時代の賢者たちが私に語りかけ、宗教や文化を超えて、すべての人にとって人生の晩年は空に近づくものだと教えてくれます。

このようにして私たちは、より多くの光を見つめ、より広い視野を持つようになるのです。困難の中で空を仰ぎ、生きる道を示してくれるようにと祈るとき、ひょっとしたら、夜毎に見つめていた星々に手が届くかもしれません。

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