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- 2025年秋冬 - 「魂の貯蔵庫。」
- 2024年秋冬 - 「ジェントル・ラグジュアリー、それは節度ある美の象徴。」
- 2023年秋冬 - 「美徳は街に必要なものである。」
- 2022年秋冬 - 「瞳は魂の通訳者である。」
- 2021年秋冬 - 「自然は、優しく、賢明かつ公正に道を示してれくる。」
- 2020年秋冬 - 「普遍のヒューマニズムへ向けた歩み。」
- 2019年秋冬 - 「心の時間、和合のひととき。」
- 2018年春夏 - 「人間としてのプライバシー。」
- 2017年秋冬 - 「自然は無限の理法に満ちている。」レオナルド・ダ・ヴィンチ
- 2016年秋冬 - 「コデックスあるいは人間主義的文化。」
- 2015年秋冬 - 「自然は不必要なものは作らない。」アリストテレス
- 2014年秋冬 - 「万物は大地より生まれる。」クセノパネス
- 2009年秋冬 - 「世界の心。」
- 2008年秋冬 - 「純真さ、美しさ、真実。」
- 2004年秋冬 - 「人間とは大きな奇跡である。」
- 2003年秋冬 - 「より優れた世界のオーロラ。」
- 1997 - 「時間の中で、共に。」
- 1996 - 「私たちには新しい形のヒューマニズムが必要である。」
- 1995 - 「美の中には常に永遠の何かががある。」シャルル・ボードレール
- 2014年秋冬 - 「万物は大地より生まれる。」クセノパネス
「万物は大地より生まれる。」
クセノパネス
2014年秋冬
土地に捧げる文章を読んだら、それが詩でなくても、いつも世界全体への限りない愛のひと吹き、知ることも理解することもできない時でも私たちが堪能する香りと色に溢れる、深遠な意味の集まりの春の優しさに、私たちは気づきます。ヴィトゥルーヴィオの元でローマの農業を書き綴ったクルメッラ、アウグストゥスの中にキリストの姿を描いた詩人ヴィルジーリオ、そして今日まで、限りなく作者は続きます。古典神話の中で、ゼウスが隠れる雨によって身籠もった母、その以前には新婦であり、その彼女によって全人類とそれを支える食物が生まれたといわれる、西洋から東洋まで異なった名を持つ神としての母なる大地を考える時、それがどのように変わることができるというのでしょうか? 18世紀、啓蒙主義の文化環境において、重農主義者たちは、地球が人間にとっていかに高い価値を持つかを理解しており、人間的価値と敵対しない農業、そして大地の良好な利用へ彼らの全生涯を捧げていました。私たちの時代に、時には「搾取」という言葉が「利用」という言葉の代わりに使われていますが、好ましいことではありません。なぜかというと、土地が化学実験室のように扱われているように見え、私たちの父親が私たちに伝えてくれた人間らしい、肥沃で豊富な土地、地面から放たれる湿った温かな香りが私たちを驚かし、まだ牛や馬が引いていたかもしれないプラウの後を歩き、ただ轍をまっすぐに引くことに集中していた頃のその土地の考えから非常に離れています。土地と人間古来の関係の中に世界の基盤があるのです。
農業においても、すべての他の活動のように、産業化の代わりとなる手仕事は、常に新しく変わっていく人類の保証人です。女神たちのように永遠の若さを保つ運命にある、すべての母と言われる大地が老化するといったことを信じるのは愚かなことでしょう。すべてを創造し、これから誕生するものすべてを創造していくからです。レオン・バッティスタ・アルベルティは、土と接するヴィッラの生活は、まさに天国だと主張しています。そして数世紀後オスカー・ワイルドは、土地と地主の関係は本当の美しさを与えず、人間の尊厳への尊重に導かれた労働条件からのみ、それは生まれることができると宣言しました。人間の尊厳と大地の尊厳は、心に届く、そして尊重する人の瞳に読み取ることができる本当の喜びを作り出す唯一の価値です。それをアンブロージョ・ロレンツェッティが彼の芸術を通して、即座に理解させてくれます。「ブォン・ゴベルノ」と称される、最後の審判のように厳格で、農村の祭りのように陽気なシエナの素晴らしいフレスコ画の中で、現実的に、この尊厳、境界のないこの美しさを見ることができます。私たちは200年後、300年後、未来に向けて考えていかなくてはなりません。地球の管理人である私たちが、子孫にどのような地球を残すでしょうか。それは、私たちが父親から受け継いだ、豊穣で香り高い地球でしょうか。夏の夕べに、私たちがそうであったように、私たちの子孫は宇宙に属していることを感じさせる星の瞬きを見つめながら、そこに寝そべることができる麦畑を持つことができるでしょうか。これからの世代が、王様の庭や古代人の庭のように、りんごのそばでバラが永遠の春を謳う大地と接することができるようにしていかなくてはなりません。