精神の形態としての尊厳

私の人生の夢は、労働の営みをもっと人間らいしものにし、労働というものに精神的かつ経済的な尊厳を与えることでした。なぜなら、概して労働は過酷で反復的なものだからです。それでも、私は労働によって人間の尊厳性を高めることができると信じていました。そしてこれを自分の人生の真の目的としました。資本主義を信じるからには利益を追求しますが(どんな企業でも存在理由として利益を生み出さなければいけません)、同時にそうして得た利益が人間に対してダメージを与えないように、あるいはダメージを最小にどめたいと考えていました。

目的や方法として、人間の尊厳と価値を配慮しながら利益を上げられるようにし、モラル的な目的を重視して利益を得なければいけない、と思っていました。アリストテレスは倫理を哲学の高度な側面と捉え、私もそのように行動したかったのです。

これが我社の根幹にある哲学です。卓越した職人技からうまれる高品質で、願わくは真の意味での創造性も息づく製品をつくりたかったのです。イタリアならではの生き方、仕事の仕方、プライド、寛大さ、情熱、精神性、神秘性といった要素を盛り込んだ手工芸製品を目指しました。これを実現するには、間違いなく有能な労働力も必要ですが、寛大で自らの素性へのプライドと故郷の地への愛着をもった人々の心も必要なのです。《Magnum miraculum est homo》(人間とは偉大な奇跡である)というピーコ・デッラ・ミランドラの言葉のとおりに。

1999 - Tempo Economico
1997 - La Nazione
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